日本では多くの企業が信用取引を行っているため与信管理が必要になります。与信管理とは取引相手に信用を供与することで、取引金額の上限額の設定や回収期間の調整などを行います。取引先が倒産すると売掛債権を回収できなくなり大きな損失が発生します。金額が大きいほど経営に及ぼす影響も大きくなりますが、得意先には厳しい対応ができないのが一般的です。
しかし取引金額が大きな取引先が倒産した場合、売掛債権が回収できず自社の連鎖倒産する可能性があります。取引先に信用を供与するにはまず現状を確認しなければなりません。新規だけでなく既存の取引先も定期的に信用状態を評価する必要があります。定期的な調査によって得られた評価に基づいて実際に取引を行うかどうかを判断します。
経営状態に問題のない企業ならば信用取引を行っても大丈夫ですが、問題のある企業は現金取引に限定するか支払期限を短縮するなどの対策が必要になります。何らかの問題を抱える企業と安心して取引を行うには、保証金を求めるのも有効な方法です。信用取引を行う場合には取引先の経営状態に応じて信用枠を設定します。取引金額や事業規模に応じて、どの程度まで売り込むことができるかを決めるのが信用枠の設定です。
一般的な個人が使用するクレジットカードにも利用限度額があります。信用枠とはクレジットカードの利用限度額と同じようなものであり、自社キャッシュフローの状況などを考慮して総合的に判断します。取引の限度額を設定したら毎月の売掛金の回収状況や取引金額の確認など、具体的な与信管理を行うことになります。